老化の原因の一つとして最近は、「糖化」が話題になっています。加齢や様々な刺激によってタンパク質と糖が結びついて、異常たんぱく質ができてしまう現象のことです。
糖化は、肌の弾力線維がもろくなってたるみを引き起こしたり、肌がくすんで見えるなど、いろいろな肌老化に直結すると考えられています。
糖化についての詳しいことは、以下の記事を参考にして下さい。
tarumi-houreisen.hatenablog.com
顔のたるみによるシワ、ほうれい線予防を助ける生姜の成分
体が「酸化」してしまうより「糖化」してしまう方が老化の進行が早いと言われ、恐れられている糖化ですが、インドの研究所の発表で、糖化阻止率がナンバーワンの食材は、生姜であるということがわかったのです。今回は、その大活躍してくれそうな生姜についてです。
生姜の成分の代表的なもので「ジンゲロール」と「ショウウガオール」があります。生の状態の生姜成分には、「ジンゲロール」の成分が多く占めています。ジンゲロールは、ファイトケミカルという植物が作り出した化学物質の一種で、辛味成分です。
▼ジンゲロールから得られる効果
ジンゲロールは、殺菌作用や免疫細胞を活性化させる作用、そして胆汁の分泌を促す作用や吐き気、頭痛を抑える作用など、様々な働きを持っています。そして、ジンゲロールやショウガオールに共通している働きは、血管を拡張する作用や抗酸化作用などです。
生姜を摩り下ろして作る「生姜風呂」「生姜湿布」などは、皮膚からジンゲロールを含んだ生姜エキスを吸収できるので、血行を促すのに効果的です。
また、お寿司と合わせて食べる「ガリ」がありますが、ガリの材料の生姜に含まれているジンゲロールによってお寿司に使われている生魚の生臭さを解消したり、食中毒の予防ができます。
①冷えを改善
冷えは血行の悪さが原因で起こりますが、ジンゲロールにはプロスタグランジンという血行不良の原因となる作用を抑える働きがありますので、血管を拡張させて血流を改善させることができます。
血管を拡張させる作用で血流が促されるので、ジンゲロールを摂取することによって冷えを改善する効果があります。
②免疫の向上
ジンゲロールを摂取することにより、免疫細胞の一つである白血球の数を増やして免疫機能を活性化させることができます。さらにジンゲロールは気管支炎などの炎症を引き起こす細菌を攻撃する力もあるので、細菌を撃退する働きも行い、血流を促す作用によって体温を上昇させることも免疫力の向上につなげています。
③吐き気や頭痛を抑える
二日酔いやつわりなどの吐き気、そして頭痛を抑えることができます。
吐き気や頭痛の原因は、様々ありますが、症状にはセロトニンという神経物質が深く関わっていて、吐き気や頭痛はセロトニンが嘔吐中枢を刺激することにより起こると言われています。
ジンゲロールには抗セロトニン作用があるので、セロトニンの作用を抑えて吐き気や頭痛を抑えることができます。
④コレステロール値の低下
胆汁の排泄を促す作用を持つジンゲロールは、血中のコレステロールを低下させることができます。
胆汁はほとんどが水で構成されていますが、胆汁に含まれている「胆汁酸」はコレステロールを利用して作り出されます。ジンゲロールにより胆汁の排泄が促されると、新しい胆汁が肝臓により生成され、体内のコレステロールがより多く使用されることによって、コレステロール値を低下させることにつながります。
⑤ダイエット
ジンゲロールには、血流が改善される作用があり、体内の代謝を活性化させてエネルギーの消費を増加させます。
血流が促されることによりエネルギー代謝が向上すると、エネルギーの消費量が増加します。
⑥老化防止
ジンゲロールには抗酸化作用があり、体内で過酸化脂質の影響による血管の老化、そして細胞のDNAの酸化による異常細胞の産生を抑えてくれます。
抗酸化作用が優れているものには、ケイ素もあげられます。生姜とともにケイ素を習慣に取りいれることもおすすめなのです。
▼ショウガオールから得られる効果
ショウガオールは、ジンゲロールに熱を加えたり乾燥させたりすることによりできる成分です。ショウガオールは、ピリッとした辛さですが、ショウガオールは、口に残ってジワジワと感じる辛さになります。
ショウガオールは、生の生姜にはジンゲロールほど含まれていないものの、生姜を加熱することによってジンゲロールが減少してショウガオールが増加します。ショウガオールにもジンゲロールと同じで「抗菌作用」「抗酸化作用」「冷え性の改善」などの効果がありますが、冷え性の改善効果については少々違います。
ジンゲロールの温める効果は体の中心に溜まっている熱を手足の末端にまで送ることによるものですが、ショウガオールの温め効果は胃腸を内側から刺激して血流を高めることによって体の内側に熱を作り出すものなのです。
ショウガオールの温める効果は、唐辛子のような即効性があるものではなく、3時間から4時間かけてジワジワと温めるものですので、体温の低い朝にショウガオールを摂取することにより、午前中の辛い冷えを解消することができるのです。
①殺菌作用によってがん細胞の増殖を抑える
殺菌作用は、がん細胞の増殖にも効果を発揮し、最近では「癌になる前に予防」という動きが活発で様々な方法が試されています。
実は、「口の中を殺菌するだけで癌にならない」という歯医者もいるようで、殺菌効果が高い液体歯磨きを使って、口をゆすぐことを勧めているところも見られます。
②活性酸素の消去による突然異変を抑える
癌細胞は、細胞の突然変異から起こるものですが、ショウガオールはこの突然変異を抑える働きがあります。
③中枢神経の興奮を鎮める
中枢神経は神経細胞が集まっている場所ですが、ショウガオールはその中枢神経の興奮を鎮めます。
中枢神経が興奮状態になった場合、心臓や首、肩などの自立神経に不要な緊張が送られて心身が崩壊され、ストレスがかかり続けると体の様々な部分に不調が起こるということになりますが、ショウガオールはその働きを鎮めてくれます。
④肥満の防止
ショウガオールは肥満にも効果を発揮し、脂肪を防ぐ場所は腸内です。腸内で吸収される脂肪を抑える働きが認められています。
顔のたるみ予防の助けとなる生姜成分の効果を使い分けましょう
ジンゲロールは、血管を拡張して血流を促すだけでなく、殺菌作用や整腸作用、そして免疫作用があります。また、ジンゲロールには体の表面や末端を温める作用があっても、深部の体温は下げてしまいますので、生の生姜は「冷え対策」というよりも風邪のひき始めのウィルス対策などに使用することをおすすめします。
一方、ショウガオールは、血管を拡張して血流を良くするだけでなく、体内の脂肪や糖質の燃焼を促す働きがあり、さらに冷えの原因である体内の余分な水分を尿や汗として排出する作用があるので、体を深部から温めます。
このショウガオールは、生姜を加熱したり乾燥することにより、ジンゲロールの一部が変化した成分になります。ショウガオールを増やすのであれば80度くらいで蒸すのが一番効果があります。
今は、圧力鍋や電子レンジなど便利な物がありますが、温度が100度以上になってしまうと、ショウガオールの出来が悪くなってしまうということと、風味を損なってしまうということがあります。因みに、1日の摂取量は2gから3gになります。
顔のたるみによるシワほうれい線予防として考えた場合には、ジンゲロールにもショウガオールにも抗酸化作用と抗糖化作用の効果は期待できるようですが、人間の体温は、低い体温より高い体温の方が健康に保つことができると言われているため、最近は、蒸し生姜にして摂取することが話題になっているようです。
顔のたるみ予防を助ける蒸し生姜の作り方
▼オーブンを使った蒸し生姜の作り方
以前は、蒸し器を使って生姜を蒸す方法が多かったのですが、ここ最近増えてきた蒸し生姜の作り方がオーブンを使った物です。
オーブンの場合、蒸すというより焼くといったイメージが強いですが、乾燥までオーブンだけでできるため、とても簡単なんです。
①生姜は皮をむかずに綺麗に洗う
②生姜を繊維に沿って1㎜程度の厚さに切っていく(生姜の皮の模様に平行に切ると線維に沿って切れます)
③オーブンの天板にオーブンシートを敷き、生姜が重ならないように並べる
④100度に設定したオーブンで約1時間じっくりと焼く(余熱はなし)
⑤生姜が乾燥しているかチェックをして乾燥していない場合は、5分刻みで生姜を再度焼いていきます
⑥生姜が完全に乾燥したらオーブンから取り出し、粗熱を取ります
⑦粗熱を取った生姜をフードプロセッサーやミキサーで砕き、粉末にしてできあがりです
オーブンで焼いた場合は、既にカリカリに乾燥しているため、粗熱が取れたらすぐに砕くことができるのも便利で手軽なところです。しかし、ちょっと温度が高かったり5分刻みで熱を入れている時に目を離すと真っ黒に焼けてしまうことがあるので注意が必要です。
▼シリコンスチーマーを使った蒸し生姜の作り方
自宅にオーブンが無いけれど、蒸し生姜を作りたいという方におすすめです。
①生姜は皮をむかずに綺麗に洗う
②線維に沿って、1㎜程度の厚さに切っていく(生姜の皮の模様に並行に切ると線維に沿って切れます)
③シリコンスチーマーの中に生姜が重ならないように並べて入れる
④電子レンジで500Wで10分程度加熱します。この時、スチーマーの蓋は開けないようにします。
⑤生姜が蒸され、甘い香りがしてきたら出来上がりの合図です。皿などに重ならないように出して生姜をカラカラに乾燥させます。
⑥生姜が完全に乾燥したら、フードプロセッサーやミキサーで砕き、粉末にします。
レンジを使う場合には、必ずシリコンスチーマーやタジン鍋のような蓋のあるものを使うようにしましょう。オーブンのように天板に生姜を並べて加熱する場合は、発火する恐れがあるので注意が必要です。
また、レンジで作る場合には、オーブンと違ってできた時は生姜は乾燥していません。蒸し上がった後に、皿などに出してしっかり乾燥させてあげなくてはなりません。天候などによっては生姜の乾燥に日数がかかる場合もあるので、天気の良い日は天日干しするとカラカラに乾燥しやすくなります。
顔のたるみによるシワ、ほうれい線予防を助ける蒸し生姜の保存方法
生の生姜を保存する時は、冷蔵庫にしまうのが普通ですが、蒸し生姜は常温保存が基本です。乾燥させた蒸し生姜は、そのまま保存しても良いですが、粉末にした方が使い勝手も良くなります。
蒸し生姜を粉末にする場合は、完全に乾燥しているかをチェックしてから行うようにして下さい。水分が少しでも残っている場合には、保存している途中でカビが生えて使えなくなってしまいます。
粉末にした蒸し生姜は瓶などの密閉容器にいれておけば、3ヶ月程度は使うことができます。蒸し生姜を冷蔵庫で保存してしまうと生姜の風味もなくなり、効果が軽減してしまうので常温での保存がおすすめです。
湿気などが気になると言う場合には保存する時に市販されている湿気取り(シリカゲル)を入れておけば蒸し生姜が湿気で傷むこともありません。
顔のたるみによるシワ、ほうれい線予防へつながる蒸し生姜の摂取法
蒸し生姜を作っても、摂取しなければ顔のたるみによるシワ、ほうれい線予防の効果は期待できません。1番簡単に摂取できる方法は、飲み物に入れる方法です。紅茶や牛乳に混ぜて飲むと飲みやすくなります。お酒の好きな方は、焼酎のお湯割りや水割りの中に入れてもおいしくなりますよ。
また、うどんやそばの一味や七味の代わりに使うとピリッとした薬味の代わりにもなります。豚の生姜焼きを作る時は、つけダレの中には生の生姜を入れて残ったタレには蒸し生姜の粉末を混ぜ、それを最後に炒める時に絡めて使うと良いです。生姜の風味がアップするのでおすすめです。
その他にはヨーグルトに混ぜて食べても良いと思います。粉末にしておくと、手軽にいろいろな場面でかけたり、混ぜたりできるのでとても使いやすいです。こうして、蒸し生姜を摂取することで、抗糖化習慣により、顔のたるみによるシワ、ほうれい線の予防につながっていきます。積極的に習慣にすることで、若さと健康を保ちましょう。